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野良の子猫、保護った。

 

2012年7月。
愛犬を心臓病で亡くしてからほぼ3年。
もうペットは要らないと拒んでいた両親が、野良猫に興味を示した。

 

まるでスコールのような激しい雨が降り続いた7月初旬。
どこからやってきたのか、我が家の近辺では珍しく、野良猫の声が聞こえるようになっていた。

これまで子猫の鳴き声がすることはあっても大抵1,2日のうちに声は鳴り止んで、
同様に子猫を探し求める親猫の姿も見えなくなっていたのだが、両親曰く、今回は様子が違うらしい。

子猫が数日間ずっと鳴いている。
一日中、鳴き止まない。
しかもかなりウルサイ。

実際、防音仕様の二重窓を閉め切っていても聞こえる大音量で、私の睡眠を容易く妨害してくれていた。

 

7月7日午後10時半。
例によって仮眠の邪魔をされて仕方なく起きてきた自分に、親がまた子猫の話題を振ってくる。
一向に親猫が迎えにくる気配がないという。

「今も鳴いてるでしょう」

両親の物言いから、彼らは既にこの子猫を保護して飼う気でいることがなんとなく分かった。
ただ、「警戒心が強くて、捕まえようとしても逃げてっちゃう」らしい。

ふむ。

いつまでもうじうじと野良猫を心配するくらいなら、保護してウチの子にしたほうが手っ取り早い。
なにより今回は普段ペットを飼うことに許可を出す側の人間たちが保護したがっているのだ。話は早い。

「 そんな気にしとるなら見てきたるわ」

とりあえず自分ひとりで外へ出た。

 

我が家は旧商店街に面していて、表通りは夜でも車の交通量が多い。
裏通りなら心配ないが、表通りへ出ようものなら近日中の交通事故死は目に見えている。

で、件の子猫は、

表通り側にいた(;´∀`)

 

我が家の真正面、自転車の陰に隠れて、身を小さくして座っていた。
予想していたよりずっと小さい。
そっと手を伸ばすと、案の定逃げてゆく。

下手に追いかけて逃げる最中に車に轢かれても困るので、通りの交通量を見ながら子猫に近づく。
子猫はびゃーびゃー鳴きながら、逃げる、気になる、でも逃げる、を繰り返す。
途中で通りに飛び出し、危うく車に轢かれそうになってヒヤっとさせられる。
様子を伺っていたらしい隣の焼きソバ屋さんのオニーサンも心配して出てくる。

「今大丈夫でしたか?ここ3日くらいうろついてますよねぇ。」

こりゃあかん。
運よくドライバーが気付いて減速してくれたから助かったものの、そうじゃなかったらこいつやばいわ。
全然クルマ見てないもん(´・ω・`)

時間をかけて子猫を慣らすまで待つつもりだったが作戦変更。
物陰で一瞬気を許した(ようにみえた)瞬間にガッと手を出して、
そのまま強引にひっ掴んで胸の中に抱き寄せた。

 

7月7日午後11時、捕獲成功。

 

「ンナァーゴォー・・・フーッ」と威嚇の唸り声をあげながら必死にもがく子猫を両手でがっちり抱いたまま家に連れ帰る。

「あぁ連れてきたかね。よく捕まえられたねぇ」

っていうか連れて来て欲しかったんだろうが(;^ω^) という突っ込みは心の中に仕舞いつつ、
保護できた安堵と子猫を迎えた小さな興奮が混ざった様子の親に頼んで子猫の寝床を用意してもらう。


保護して30分後。

とりあえずダンボールにバスタオルを敷いて、暗がりと寝床を作ってやる。
夏だし、赤ちゃんでもないからペットボトル保温までは必要なさそうだ。
子猫がダンボールの隅で小さくなっている間に、先ほどばり掻かれ噛み付かれた自分の両腕の傷を消毒する。
痛みはないがバッチリ蚯蚓腫れ(←ミミズバレってこういう字書くんだね)。
変な病気とか持ってなきゃいいけど。
明日は人間のチビちゃん(姪)が遊びにくる予定だということで、猫に病気などがないことが分かるまで私の自室から出さないことにする。


捕獲して2時間後。

自室に寝床ごと移動。
まだ親猫を求めてビャービャー鳴きわめく。
ミャーミャーとかってレベルじゃない。
反響して部屋の小物がビリビリと振動音を出すくらいに、冗談抜きで声が大きい。

ダンボールの中で小さくなっている猫に手を差し出すと、いっちょまえにフーッと威嚇してくる。
が、 本気で噛んで引っ掻いての抵抗をするのは捕獲時だけで、あとは声の威嚇だけだ。

「はいはい大丈夫大丈夫」

抱き寄せて膝に置き、とにかく穏やかにゆったりと語りかけ、同時に顔から身体から優しく撫でまくる。
するとそのうち子猫は落ち着いてきて、鳴きわめくのをやめ、目を閉じる。
こうなればあとはひたすら無駄にお話&撫でまくりタイム。

PCの前に座り、膝上の猫を起こさないようにそっと撫でながら、
ネットで保護猫の注意点やら猫トイレやらの情報を仕入れ、明日以降に備える。

途中、目が覚めた頃にお湯で溶いたスキムミルクを与える。
お皿に入れただけでは飲まなかったので、自分の指先で(というか伸びた爪先をスプーンがわりにして)ミルクをすくって口先へもっていき舐めさせると、味を思い出したのかそれ以降は自分でお皿 から飲むようになった。
これなら大丈夫そうだ。

午前3時を過ぎてそろそろ自分も寝ないとやばくなったので、
猫をダンボールに戻し、隣に布団を敷いて横になる。

びゃーびゃーびゃー・・・・・・・・

・・・( ^ω^)・・・

 

抱いてろってことらしい。
とはいえシャンプーの済んでいない野良猫を布団の中に入れるわけにはいかない。
仕方ないので自分が布団を諦め、枕だけ用意して床に寝転がり、腹の上に猫を抱きかかえて撫でてみる。

・・・・・・・・zzz。

子猫はすぐに寝静まり、そのまま朝まで腹の上で過ごした。
たぶんそれなりにぐっすり眠れていたと思う。
背伸びしすぎて頭から落っこちそうになってたから。